西武渋谷店
1968年、東急グループのお膝元であった渋谷に殴り込む形での出店。後にこの地でセゾン文化・渋谷文化が花開く訳だがその足掛かりとなった店舗である。
現在はA館、B館、ロフト館、無印良品の入居するMovida館で構成されている。
築54年を経過した建物は大変美しいが、少しくたびれ気味・・・?
〇A館・B館
そごう西武の基幹店ということもありある程度の手は入れられているが、低い天井に古いエスカレーターなどのレトロ百貨店感は拭えない(良くも悪くも)
天井までガラス張りの連絡通路が素晴らしすぎる…。
2016年にごろに2020年度以降に建て替え、という報道が出ていますがどうなるんでしょうね。インバウンド需要が蒸発しているのが心配。
〇Movida館
1980年代、渋谷西武には2館の別館を新設する計画があったが、そのうち一つが1986年に開業したシード館である。
当初はセレクトショップと、劇場・ミニシアターなどを備えた多目的スペースであるシードホールが入居していた。
1999年にMovida館に改装。2013年にはパーキング館で営業していた無印良品が増床する形で開業している。
同館は2020年に閉店した西武大津SCや江戸東京博物館などと同じく菊竹清訓による設計だそう。
〇渋谷ロフト館(渋谷ロフト)
西武増床計画のうちもう一館は堤清二氏の「東急ハンズの上等なやつをつくれ」の号令で開発された業態であるロフトの1号店となった。
こちらも菊竹建築。
現在もロフトの本店はここである。
歯車の噛み合わせによって現れるLOFTのロゴ、コンクリート打ちっぱなしの床・壁が素晴らしい。
〇パーキング館
迷路のような構造だが一応ロフト館に隣接、B館とも連絡通路で接続されている。
地下1階には良品計画分社化前からの古参無印が入居。
1階にはOMOストアであるチューズベース シブヤが今年9月に開業。
OMOがよく分からないがECと実店舗を融合したものらしい。ミレニアル世代とZ世代がターゲットらしいので該当の方は訪問してみては。
〇おわりに
渋谷なんぞ私のような人間には縁のない場所だと思っていたが、これほど優れているお店があるとは思わなかった。
パルコにロフト、東急ハンズに109、少し離れて青山の無印など渋谷が文化の発祥地として花開く礎となった店舗が今も残っているのは素晴らしいですね。
西武内はロフトも含めてかなり落ち着いた雰囲気でじっくりと店内を見ることができた。渋谷の雑踏に疲れたら西武に行きましょう。
冒頭にも述べたように建て替え計画があるようだが正直ちゃんと建て替えるのか怪しいような…。
いずれにしてもあまり先は長くないと思われるので早めの訪問をお勧めします。
参考文献